セミナー

2020年1月30日(木)立命館大学数理工学セミナー

2020.01.29 Wed up
<<立命館大学数理工学セミナー>>

日時:     2020年1月30日(木) 16:30~18:00

タイトル:
ポート・ハミルトン系の制御と応用

講演者: 
藤本 健治 (京都大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻)

アブストラクト:
本発表では、ポート・ハミルトン系のモデル化と制御の方法を概説する。
ポート・ハミルトン系とは、制御工学において主に電気・機械システムを表現するのに用いられるモデルであり、ハミルトンの正準方程式に制御入力を表す「ポート」を加えて記述されることからこの名称で呼ばれる。制御工学における一般的な制御目的は、フィードバック制御器によって制御対象を安定化することにある。安定化を行えば、付加的な制御入力を加えることによって操作者が制御対象を任意に操ることができる。既存の実用的な制御手法の多くは、線形モデルを対象とした線形制御であり、非線形の対象をそのまま扱う非線形制御は、研究の対象としては扱われているが実用化の例は少ない。これは線形制御における制御器設計問題の多くは凸最適化問題で記述されるのに対し、非線形制御における設計問題は偏微分方程式の求解に帰着され、容易に解くことができないことに起因する。ポート・ハミルトン系モデルとその制御が注目されるようになったのは、ハミルトン系に付随する保存量や対称性を、この偏微分方程式の求解に利用できるからである。これにより、一般的な非線形モデルを対象とする非線形制御に比べて、容易にかつ簡潔な構造の制御器を設計できるようになっている。本発表では、上記のような背景とともに、ポート・ハミルトン系のモデル化と制御に関する基礎から最近までの内容を、講演者の周辺の話題を中心に紹介する。以下の話題を取り扱う予定である。

・ 非線形制御の基礎

・ ポート・ハミルトン系のモデル化と受動性

・ ポート・ハミルトン系のフィードバック制御

・ ポート・ハミルトン系の学習制御


場所:      立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)
          ウェストウィング 6階 談話会室

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