日時 :2024年9月26日(木)16:30 〜 18:40
場所 :立命館大学BKCウエストウイング6階数理科学科談話会室&ZOOM
講演者1:久保田匠 先生(愛知教育大学)
講演題目:Grover walk の周期性に関する最近の研究
講演要旨:
量子ウォークはランダムウォークの量子版として導入された数理モデルであり、確率論の枠を超えてグラフ理論、関数解析学、量子情報理論など幅広い分野と密接に関連して研究されている。周期性は量子状態がいくらかの時刻を経て初期状態に戻るという現象であり、特定のグラフにおいてのみ発生する珍しい現象である。本講演では、まず量子について物理的な背景を簡単に説明したうえで離散時間の1次元量子ウォークを導入する。次に、グラフ上の量子ウォークでは定番の Grover walk と、その周期性に関する基本的な結果を紹介する。最後に Grover walk の周期性に関する最近の研究成果や未解決問題を紹介する。
講演者2:渡邉 扇之介 先生(福知山公立大大学)
講演題目:高階多値多近傍セルオートマトンとその応用
講演要旨:
セルオートマトンとは1次元格子状にあるセルが離散値の状態をもち,ある規則に従って時間発展する離散力学系である. セルオートマトンは様々な現象を記述できるといわれているが,計算機の限界から多くの研究は「低い階層」のセルオートマトンを用いた実験的な研究であり,演繹的な研究も離散数学の道具が少ないため進んではいない. 本講演では,「高い階層」のセルオートマトンに対する実験的・演繹的アプローチを試みる. また,複数のセルオートマトンの確率的な組合せによって得られる確率モデルについても紹介する.