- Date: 8 Jun. (Thu.)
- Place: W.W. 6th-floor, Colloquium Room and on the Web (Zoom)
- Time: 16:30 – 19:30
- Speaker1: 小山翔平
- Title: 量子ウォークにもとづく一変数関数のグラフの線形的外挿
- Abstract:
本講演では、量子ウォークにもとづく一変数関数のグラフの線形的外挿を扱う。
先行研究には以下2つがある。
Konnoは2019年、1次元の「離散時間」・「離散空間」量子ウォークにもとづいた時系列モデルを導入した。
続いて、今野は2020年の著書『量子ウォークによる時系列解析』にて、離散時間量子ウォークの確率測度を用いる代わりに、同じ1次元「離散時間」・「離散空間」ランダムウォークである離散時間ランダムウォークや離散時間相関付ランダムウォークの確率測度を重みとして用いる場合のモデルについても計算している。
これら先行研究では「離散時間」・「離散空間」のウォークにもとづいていたが、これを「連続時間」・「連続空間」にできないかと研究した内容が本講演内容である。
まず、パラメータの入った1次元の「連続時間または離散時間」・「離散空間」量子ウォークの弱収束極限測度やそれを重みとして用いた評価関数の定義を紹介する。
そして、それらの量子ウォークの弱収束極限測度を用いた評価関数の表示を求め、このモデルが機能しているか確かめる。その後、本モデルによるグラフの線形的外挿の手法を導入し、離散時間からの拡張になっているかを確認する。
- Speaker2: 森田英章(室蘭工業大学)
- Title: 組合せ論的ゼータ函数の「三種の表示」について
- Abstract:
グラフゼータ函数は伊原康隆氏の 1966 年の論文に源流をもち、我が国がその主な発展を担ってきた研究対象である。
グラフゼータ函数は、一般に「指数表示」「オイラー(積)表示」「橋本表示」「伊原表示」とよばれる四種の表示をもつことが知られているが、近年になり「今野-佐藤の定理」によって、「橋本表示」と「伊原表示」の二種類の行列式表示の等価性が、グラフ上の量子ウォークに対する「スペクトル写像定理」に対応することが指摘され、さらなる展開を見せている。
この講演では、グラフゼータ函数を含むより広いクラスである「組合せ論的ゼータ函数」に対し、「指数表示」「オイラー表示」「橋本表示」の三種の表示が同値であることを紹介する。
これは、「今野-佐藤の定理」をさらに一般的に展開するための基盤をなすものである。