2024年度
Math-Fi seminar on 23 May (Co-organized as a Quantum Walk Seminar)
2024.05.21 Tue up
- Date: 23 May (Thu.)
- Place: W.W. 6th-floor, Colloquium Room and on the Web (Zoom)
- Time: 16:30 – 18:00
- Speaker: 船川大樹(北海学園大)
- Title:量子ウォークにおけるスペクトル写像定理とこれを用いた展望
- Abstract : 量子ウォークはデバイスにレーザーを透過・偏極させることで実装される数理モデルであり,量子探索アルゴリズムやトポロジカル絶縁体などへの応用が期待されている。量子ウォークの記述する時間発展作用素の性質を調べる際,そのスペクトルを計算し関数解析学の観点から研究することができる。さて,スペクトル写像定理は量子ウォークのスペクトルとランダムウォークとユニタリ同値なdiscriminant作用素のスペクトルとの対応を述べた定理であり,これを用いてSplit-Step量子ウォークなどのスペクトルも調べられている。このスペクトル写像定理は量子ウォークが閉鎖系でカイラル対称な場合,2019年に一般論として瀬川らによって証明されている。さらに2023年には,浅原らによって一部の開放系量子ウォークのための拡張が行われた。本講演ではこれらの定理や応用などを紹介しつつ,更なる拡張についてお話する。