2024年度

Math-Fi seminar on 24 Oct. (Co-organized as a Quantum Walk Seminar)

2024.10.23 Wed up
日時 :2024年10月24日(木)16:30 〜 18:40

場所 :立命館大学BKCウエストウイング6階数理科学科談話会室&ZOOM

講演者1:鹿野豊 先生(筑波大学)
 
講演題目:「量子計算機システム構築と数理モデルの意義」

講演要旨:
「昨今、クラウド上の量子計算機を用いて、量子計算機を所有しなくても何かしらのものを計算できるようになってきた。ただ、量子計算機が世界中でありふれたように使われている時代でもなく、どのような計算機になりそうなのか?ということはあまり理解されていないことのように思う。そこで、量子計算機を計算機システムの一部として捉えるためにも、どのような立ち位置の計算機となりそうなのか?そして、どういうことが現状問題なのか?ということについて、講演者の知りうる範囲で解説を行う。その上で、数理モデル(特に量子ウォーク)がどのように量子計算機システムを構築する上で重要なのかということについて議論を行う。」
 

講演者 2:西郷甲矢人 先生(長浜バイオ大学)
 
講演題目:「圏構造と非可換確率論:量子ウォークの一般理論に向けて」

講演要旨:
「〇〇とは何か?」という問いが常に実り豊かというわけではない。しかし、様々な面白い具体例や類に関する研究が一定の期間その名のもとに行われてきた分野においては、そうした問いにしばしば大きな意味が出てくる。そこで、「量子ウォークとは何か?」と問うことにしよう。おそらく誰もが認めるであろうことは、それが(離散もしくは連続な、一般化された意味での)「時空」の上での「量子的」な動力学であるということである。本講演では、「時空」とは「圏」であり、「量子的」とは「非可換確率的」であるという立場から、圏上のたたみ込み代数である「圏代数」とその上の線型汎関数としての「状態」の概念を導入し、その動力学としての量子ウォークの概念を、一般の「ダガー圏」上において定式化することを提案する。かくも多様に発展している量子ウォークについての一般論の枠組みを提案することで、量子ウォーク研究やその応用の展開に役立つ「意識の拡大」を試みたい。

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