2025年度

Math-Fi seminar on 30 October. (Co-organized as a Quantum Walk Seminar)

2025.10.30 Thu up
  • Date: 30 Oct. (Thu.)
  • Place: West Wing, 6th floor, Colloquium Room and on the Web (zoom)
  • Time: 15:40-19:00

  • Speaker 1: Parkpoom Phetpradap (Chiang Mai University)
  • Time: 15:40-16:40
  • Title:  The Gambler’s Ruin problem
  • Abstract:
The Gambler’s Ruin problem is a classical model in probability theory describing the stochastic evolution of a player’s fortune in repeated fair or biased games. The central questions concern the individual’s ruin probability and the expected duration of play, given the initial capital and game parameters. This talk presents background concepts in Markov chains, along with results for the ruin probability and the expected ruin time of the problem under several settings.
 
  • Speaker 2: Yusuke IDE (Nihon University)
  • Time:16:50-17:50
  • Title: しきい値モデルの性質とその上のRW・QW
  • Abstract:
しきい値モデルは、ランダムな重みを持つ閾値グラフ(threshold graph)
として導入され、重み分布によっては次数分布がスケールフリー性を示す
など、成長を伴わない複雑ネットワーク(complex network)として注目
されたモデルである。また、しきい値モデルはグラフラプラシアンの
固有値が全て整数である Laplacian integral graph としての側面を持ち、
グラフ演算の繰り返しによる再帰的な構成法が存在するなど、豊かな構造
を備えたモデルである。本講演では、しきい値モデルの基本的な性質を
紹介し、その上のランダムウォーク・量子ウォークの挙動について議論する。
 
  • Speaker 3: Chusei Kiumi (The University of Osaka)
  • Time:18:00-19:00
  • Title: 量子ウォークと量子アルゴリズムの統一理論
  • Abstract:
本講演ではまず、量子コンピュータ研究の現状と今後の展望について概観する。物性物理や量子化学といった分野において、実用的な問題で量子優位性を示すことは、社会的に極めて大きなインパクトを持つ成果とされている。そこで本講演では、量子シミュレーション分野で量子優位性を実現するために、既存の量子アルゴリズムに高度な古典確率法を組み合わせる試みについて紹介する。さらに、量子ウォークは量子シミュレーションアルゴリズムの中核をなすだけでなく、量子探索や量子位相推定など、さまざまな量子アルゴリズムを包含する統一アルゴリズムである量子特異値変換とも深い関係を持つことが明らかになってきた。この関係は量子ウォークのスペクトル構造に深く根ざしており、その数学的側面の解明が今後の重要な研究課題となっている。

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