セミナー

2017年9月28日(木) 立命館大学幾何学セミナー

2017.09.02 Sat up
日時: 2017年9月28日(木) 15:00~16:30
場所: 立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC) ウェストウィング6階 談話会室

タイトル:部分多様体のDirac作用素と一般化Weierstrass関係式,そしてその異常項と指数

講演者:松谷茂樹 (佐世保工業高等専門学校 数理情報

アブストラクト:
3次元Euclid空間にはめ込まれた曲がった部分空間に,非相対論的量子力学の枠内で,粒子を閉じ込め,その量子効果を考察する研究は,微細な半導体素子の研究から端を発し始まった.その後,1980年代-90年代に,理論物理(特に物性基礎論)の枠内で広く研究されてきた.これらはSchrödinger方程式に関する偏微分方程式論と微分幾何との融合研究に当たるが,極限の取り方等,幾つか問題を孕んでいる.そこで講演者は,これを代数解析的な視点で再定式化することで,物理的直観に対応する結果を得た.同時に,この手法をDirac作用素に拡張することで,極小曲面のWeierstrass 関係式を一般化した一般化Weierstrass 関係式に対応すること,MKdV方程式などの逆産散乱法と関係する事などを示した.このDirac作用素を部分多様体のDirac作用素と呼んでいる.このDirac作用素の構成方法より,一般化Weierstrass関係式が,より一般次元のEuclid空間内にはめ込まれたSpin部分多様体に一般化できることを示した(Adv. Stud. Pure Math. 51 (2008) 259-283).更に,経路積分の枠組みではあるが,部分多様体が1, 2次元の場合,Dirac作用素の局所異常項(指数)を計算することで,構成したDirac作用素の大局情報が,normal束の位相的情報を取り出せることを示した.本講演では,これらのことを紹介する.

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