セミナー

立命館大学数理データ科学セミナー (2026/12/7)

2026.11.05 Thu up
  • Date: 7 Dec. (Mon.)
  • Place: West Wing, 6th floor, Colloquium Room and on the Web (zoom) 
  • Time: 18:00-19:00
  • Speaker : 樋口知之(中央大学理工学術院)
  • Title: 生成AIにより激変しつつあるデータ同化
  • Abstract:
一般に数値シミュレーションとは、現象の支配方程式を時間・空間とともに離散化し、数値積分を実行する手続きである。数値シミュレーションには、計算誤差も含め多種多様な誤差や、未知の条件がもたらす不確実性が必ず存在し、現象予測の高精度化の障害となっている。この問題を部分的に解決するために提案されたのがデータ同化である。現在の形に近いデータ同化は1990年代に気象海洋分野でうまれ、広範な分野にその有用性が広まっている。データ同化の本質は、数値シミュレーションの情報と、観測・計測ビッグデータをベイズの定理により統合する点にある。この2〜3年、データ同化の研究開発の潮流が、生成AIにより大きく変化しつつある。生成AIを数値シミュレーションの高速化に利用する研究自体は5〜6年ほど前からあり、変分オートエンコーダやGANなど、今となってはレガシー的生成AIが使われていた。現在大きなインパクトを与えているのは、トランスフォーマをベースとする基盤モデルによる予測と、拡散モデルをベースとする超解像である。前者は予測の高精度化と超高速化に大きな恩恵をもたらしており、事実、今年の台風30号の進路予測ではAIに完全に軍配が上がった。後者は、計算の簡便化と未知の現象発見に貢献している。本講演では、データ同化研究のこれまでの流れと、生成AIによる大きな進化の現状を解説する。

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