1. 信用リスクとは
7.1. Intensityモデルにおけるデフォルト相関
7. モデルとデフォルト相関
2. 信用リスクを用いた金融派生商品
8. キャリブレーション
6.3. Structural(構造)モデル
サイト管理者へのメール | 免責事項 | 2010年4月9日更新
6. モデリング(既存モデルの紹介)
10.2. 数学的な問題
上述では、今まで研究されていることや、企業で使用されているモデルについて紹介した。そしていくつかの問題点も指摘してきた。実際の市場では、流動性の問題により、スプレッドの動きがジャンプすることが多く見受けられる。これのため我々はジャンプを考慮したモデル(つまり、ジャンプ型の確率微分方程式)を扱う必要がある。一般にデフォルトの分布は、裾が厚くなる現象が見受けられることがわかっている。(分布のテールが正規分布より太いことが良く報告されている。)この現象(ファット・テイル)についてもジャンプを考慮したモデルを考えることによって説明できるのではないかという意見が自然である。よって、我々は高次元ジャンプ型確率微分方程式を扱ってモデリングする。しかしながら高次元ジャンプ型確率微分方程式をシミュレーションすることは、容易ではない。特にファイナンスで扱われているジャンプ過程は、微小のジャンプが無限に起こる確率過程であるからである。さらに上述で説明したように企業間にはなんらかの相関があり、その相関についても考慮したシミュレーションが必要になる。
8.3. Black-CoxモデルとCDS価格
2.1. クレジット・デリバティブ
9.2. MertonモデルとBlack-Coxモデル
6.3.1. マートン・モデル
大阪大学 金融・保険教育研究センター(CSFI) 
Copyright © 2010 JST/CREST コハツ・チーム
10.1. リスク管理との関係
2.1.1. CDS
9.3. Black-CoxモデルとCDS価格
9. モデルの考察
6.3.2. ブラック‐コックス・モデル

リスク管理面では、デフォルト確率がStandard and Poor's やMoody's などの格付け会社により評価されている。ただし、デフォルトが発生する時間に関する情報は公表されていない。これらは、CDOの評価をする際、通常使われていないと仮定されているが、できれば構造モデルとの兼ね合いを評価したい。

6.2.1. 1ファクター・ガウシアン・モデル
10.4. ボラティリティ推定・リスク評価
2.1.2. CDO
10.4.1. 漸近展開について
7.3. 構造モデルにおけるデフォルト相関
7.2. ガウシアン・コピュラ・モデルにおけるデフォルト相関
6.3.3. 構造モデルの数値計算
本文へジャンプ
6.2.2. 1ファクター・ダブルコピュラ・モデル
シミュレーション・サブグループの研究背景

9.1. 構造モデルとIntensityモデル
2.1.3. SCDO
摂動項を含む高次元確率微分方程式の解の汎関数の期待値を評価する方法として、マルチンゲール展開(吉田の公式)の適用可能性を探る。摂動項の構造と分布の漸近挙動との関わりを解析し、また、Fat tail 現象や市場からインプライされるボラティリティ構造を再現するように摂動項をモデリングする。
3. デフォルト相関
4. CDSに関する数学的な問題
10.4.2. データ整備について
8.1. IntensityモデルとCDS価格
5. CDSの価格付け
企業の株価を企業価値のproxy として、構造モデルの実証分析を行うため、企業の株価ティックデータを購入し、高頻度データとしての整備を行う。

References
[1] 松原望, 縄田和満, 中井検裕(1991). 統計学入門,
[2] 室町幸雄(2007). 信用リスク計測とCDO の価格付け,
[3] A.Elizalde (2005). Credit Risk Models IV: Understanding and pricing CDOs,
[4] J.aHull, A.White (2004). Valuation of a CDO and nth to default CDS without Monte Carlo simulation, The Journal of Derivatives, vol 2, pp 8-23.
[5] D.Wang, S.T.Rachev, F.J.Fabozzi (2006). Pricing Tranches of a CDO and a CDS Index: Recent Advances and Future Research,

10. 研究課題
8.2.ガウシアン・コピュラ・モデルとCDS価格

6.1. Reduced-form(誘導)モデル
10.3. 商品分類
数学的な問題としては、次のようなことがある。 連続確率微分方程式に対するシミュレーションには、オイラー丸山法がよく用いられるが、これでは収束のオーダーが良くない。よって我々は、より良い収束のオーダーを得るために楠岡近似と呼ばれる方法をもちいてシミュレーションをする。しかし、高次元確率微分方程式に関して、この近似方法を用いた数学的な評価があまり研究されていない。したがって、これに対する数学的評価を与える前に、楠岡近似を用いたシミュレーションを行い、その結果を検討する必要がある。さらに理論的な展開として次元を落とす方法を提案する。そのために作用素分解法と呼ばれる手法を用い、高次元確率微分方程式の代わりに合成作用素を扱うことによりシミュレーションの効率化を図る。ただし先行研究では分割を確定的な時間刻みでとっているのに対し、CDS の設定ではランダムな停止時間が絡むことから、この方法を拡長する必要がある。このため、作用素分解法を再構成する。この再構成した表現は、CDSの問題だけではなく、より一般的な枠組みで種々の応用が期待できる。 その応用についても検討する。 さらに信用リスクの問題では、ジャンプ型確率微分方程式を扱う必要があり、これに関するシミュレーションについても深く研究を行う。特に数理ファイナンスで扱うジャンプを考慮したモデルでは、微小のジャンプが無限に起こる可能性が存在し、シミュレーションの面では、非常に難しい問題である。極端な話として安定過程と呼ばれるジャンプ過程では、モーメントがなく、近似が非常に難しい。Tempered 安定過程と呼ばれるモーメントが存在する過程であっても小さいジャンプの数が多く、扱いにくい。よって、様々な近似方法を考案するべきである。また、様々なシミュレーションを行い、その精度を比較検討すべきである。例えば、importance sampling をどう行うか、時間の刻みをランダムにするかどうか、などを検討する。
6.1.1. Intensity(強度)モデル
例えば、Credit Default Swap, First to Default, Default Digital Swap Asset Swaption, Basket Default Swap, Collateralized Debt Obligation などの商品について情報を収集し、数学的側面、経済学的側面、データ解析的側面における問題を提起し, 解析を行う。
6.2. 1ファクター・コピュラ・モデル

構造モデルを評価するために、株価を企業価値のproxy と考えて、株価過程に対する確率微分方程式モデルの未知パラメータの推定やモデル評価を行うことは、リスク管理上、非常に重要である。そこで仕組商品に対する統計的アプローチのための基礎理論の整備として、確率微分方程式モデルの情報量規準の構成のための統計的パラメータ推測理論、特に、ボラティリティパラメータ推定理論の整備を行う。また、ボラティリティ推定によるリスク評価をおこなうために、高頻度観測データに含まれるマイクロストラクチャー・ノイズに頑健なボラティリティ推定法に関する研究をおこなう。さらに、派生商品価格からの状態価格密度の推測理論を整備する。








CREST|複雑な金融商品の数学的構造と無限次元解析